山鹿市農産物ガイド

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茶

山間に歴史が息づく「お茶街道」

 山鹿市の北部を通る県道18号は、「山鹿お茶街道」とも呼ばれ、道沿いに10軒以上の山鹿茶を生産販売するお店がある。山鹿のお茶は「岳間茶」「菊鹿茶」などそれぞれの地名を付けて販売されて
いる。その歴史は古く、江戸時代初期(1630年頃)に肥後細川藩初代藩主・忠利公が、山鹿を訪れたときに”星原の番所”(鹿北町星原地区)で飲んだお茶を大変気に入り、その後、年貢の代わりに納める献上茶となったことが始まりとされている。

山鹿茶

 おいしいお茶ができるのは、山間を流れる渓谷の清水から潤いを得るその地形にもよる。程よい湿度と日差しにより、やさしく茶葉は育つ。そして普通の煎茶に比べて2〜3倍もの時間をかけられて作られる深蒸し製法により、コクのある甘みが生まれるのである。もちろん生産者や製造者は、品種選定や栽培法、製造技術に工夫を凝らし、独特のおいしさを作り出している。お茶屋さんそれぞれに「お客さん」が付いているのが何よりの証拠。自分に合う味を探すことも、お茶選びの楽しみなのである。

 また、日本の紅茶のルーツはここ山鹿にあるということはなかなか知られていない。明治8年(1875年)、政府が日本で初めて紅茶伝習所を山鹿に設置し、紅茶の製造と輸出による富国を目指したのである。3年後に岳間地区に移転し、本格的に生産をスタートさせた。戦争等により、一時は途絶えたものの、現在紅茶の産地を復活させようと、さまざまな取り組みが行われている。

 生活スタイルの変化とともに「お茶」の在り方も変化している。昔ながらの楽しみ方だけでなく、消費者ニーズの多様化とともに、お茶の持つ可能性が広がっていることを知ってほしい。

紅茶

紅茶
茶葉を発酵させて紅茶をつくる。「藤本製茶」により5年の歳月を経て復刻された山鹿紅茶はストレートで味わうのがおすすめ。

お茶の品種と鹿北茶山唄

茶
お茶の品種
お茶にも「やぶきた」「さえみどり」「べにふうき」などの品種がある。山鹿のお茶は、軸が太く葉肉に厚みのある柔らかい茶葉が特徴。
鹿北茶山唄
鹿北茶山唄
その昔、茶摘み娘たちの掛け合いから生まれた民謡で、「登り唄」「摘み唄・揉み唄」「仕上げ唄」の3部構成からなる。毎年全国大会が開催され、次世代への継承も行われている。

山鹿お茶街道(山鹿市茶業振興協議会)

協議会は山鹿市にある9つの生産部会で組織する団体で、お茶の品質向上と販路拡大に取り組んでいる。また、山鹿市の北部を通る県道18号を「山鹿お茶街道」として、地域と連携しながら、お茶だけでなく、特産品をPRするイベント等も実施している。

【協議会会員】JA鹿本茶販売所、小山製茶、芋生茶生産組合、古田製茶、藤本製茶、岳間製茶、佐とう製茶

山鹿お茶街道MAP