山鹿市農産物ガイド

山鹿市農産物ガイド

たけのこ・ハウスきんかん


たけのこ

たけんこの里の名人技で高級食材に

 熊本県は全国有数のたけのこの産地。その中でも山鹿市は生産量の3分の1以上を占める特産地である。

竹林

 たけのこは、ただ竹林があれば、育つというものではない。竹林を適度に伐採し、太陽の光が地面まで届くように丁寧に整備し、肥料を加えてしっかりと土づくりを行う。手間ひまをかけるからこそ、おいしいたけのこができるのである。

 一番の労力はやはり掘り出し。比較的温暖な山鹿市では12月には収穫が始まる。この早出のたけのこは土の中にあるため、素人目にはどこにあるのかわからない。長年の経験を基に、わずかな土の盛り上がりや地面の割れ、竹の位置などを見極め、傷つけないように丁寧に掘り出す。名人技によって収穫された早出のたけのこは、関東や関西方面へ出荷され、高級食材として珍重される。

 たけのこの旬といえば春。地元の直売所などには3月頃から並び始め、4月にはピークを迎える。程よい甘み、そして、柔らかさの中にもシャキッとした歯ざわりがある。掘り出して間もない新鮮なたけのこほどアクが少ないため、できるだけ早めにアク抜きの処理をするのがおすすめ。

 また、新鮮なたけのこを手に入れることができなくても、水煮や乾燥などの加工品もあるので、一年中、山鹿のおいしいたけのこを味わうことができる。煮ても焼いても和えてもおいしい山鹿の春の代表的な旬の食材は、たけんこの里の名人たちの手によって、丁寧に育まれている。

たけんこ街道

たけんこ街道

 山鹿市でも特に鹿北町は、たけのこの生産量が多い地域。毎年10軒の飲食店が一番おいしい時季の採れたてのたけのこを使った料理を期間限定で提供する「たけんこ街道」が行われている。郷土料理からピザまで、さまざまな料理に合うたけのこ。料理だけでなく、たけんこの里らしい、山間の素朴な春の魅力にも触れることができる。

たけのこの生産量

たけのこの生産量
ハウスきんかん

常識を超える甘さは、まさにフルーツの宝石

ハウスきんかん収穫

 きんかんと言っても一般的な露地栽培のきんかんとは異なり、粒が3〜4センチと大きく、糖度が18〜20度と高い。ハウス栽培で、摘果作業、温度や湿度などの品質管理に気を遣う作業が日々行われ、オレンジ色に輝き完熟した状態で一つひとつ丁寧に収穫される。

 鹿央町を中心に生産されるハウスきんかんは、平成5年から栽培が始まり、熊本県内では栽培面積、生産量ともに一位。現在10戸の農家が栽培し、約27トンが出荷されている。ビタミンCやカルシウムを豊富に含み栄養価が高く、皮ごとガブリと丸かじりして食べるのがおすすめ。JA鹿本では「夢小町」のネーミングで出荷しており贈答用としての人気も高い。

 この栄養価の高さと独特の風味を生かした加工品も多く作られている。鹿央物産館では、食堂のおばちゃんたちが作るきんかんシフォンケーキが名物。摘果したキンカンを粉末にして生地に混ぜて焼き上げたシンプルなケーキだが、さっぱりと食べやすく、鼻の奥にほのかに残る香りが清々しい。そのほかにもアイスや羊羹、シロップ漬け、焼菓子など、そのラインナップは豊富。

 ハウスきんかんの間違いない品質とおいしさは、まさに山鹿産フルーツの宝石。少しずつファンも増え、山鹿の冬の特産品として、定着している。

主なハウスきんかん加工品

シフォンケーキ
きんかんシフォンケーキ
爽やかなきんかんの風味とふっくらとした食感が味わえる。
きんかんまんじゅう
きんかんまんじゅう
口の中いっぱいにきんかんの香りが広がるこだわりの和スイーツ。
きんかん甘露
きんかん甘露
夢小町を丸ごと甘露煮にした甘酸っぱく贅沢な逸品。
きんかん羊羹
きんかん羊羹
お茶菓子に最適な昔ながらの手作り羊羹。